キルボット(Chopping Mall)感想 ネタバレあり

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 本国版ポスターから漂う圧倒的スラッシャー感よりも、邦題の方が中身にバッチリあっているという珍しいパターン。’ショッピングモールで殺人鬼が暴れる’というアイデアが先行していたそうなのでこうなったのかもしれない。ティーンエージャーと暴走した警備ロボが閉鎖空間と化したショッピングモールで戦うというシンプルなプロットだというのに、後に政治的なメッセージを考察勢に付け加えられていたというのが驚き。

 

 流行っていたであろうホラー・SFから要素をマッシュアップしまくっているのに舞台と登場人物の数が限られている為か破綻した感じは感じられない。寧ろかなり小気味良くまとまっている。特に『ゾンビ』独特のゆるさとかのエッセンスをトレス出来ている気がする。若者をガンガン処刑していく警備ロボットの装備がガチすぎるのは全くもってゆるくないのだが。

 

 結末が前回紹介したセミマゲドンや他のスラッシャー映画群と違ってオタクにとっても優しいのがミソ。数年前のインタビューで女性と出かけるのが何よりもストレス解消になると語っていたWynorski監督であるが、全般的に抑え目なエログロの中ギャルが割と悲惨に爆死しているのも見るにオタクの深層を抉り取るのに相当手練れていたのだろう。この侮れなさこそが冒頭の考察を呼び起こした・・・というのは思考があさっての方向に行き過ぎであろう。